福祉の仕事

介護福祉士

介護に関する資格としては唯一の国家資格です。この資格を得るには高卒以上の者が介護福祉養成施設を卒業するか、財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施する試験に合格する必要があります。受験するには介護実務経験が3年以上あることが必要です。2011年より、養成施設卒業による取得が廃止され試験による資格取得のみになります。

 

介護福祉士は、日常生活で介護を必要とする人に適切な介護を提供し、介護者には介護に関する指導などを行います。老人ホームやデイケアセンター、障害者福祉施設などで活躍が期待される資格です。ソーシャルワーカーに対して、ケアワーカーと呼ばれることもあります。ソーシャルワーカーが事務的な補佐をする役割だとすれば、ケアワーカーは実務的な補助を行います。日常的な作業、食事や入浴、着替えなどの身辺の介助や、薬などの管理、また洗濯・掃除といった家事の援助など、要介護者の生活全般にかかわる仕事です。

 

社会福祉士同様、介護福祉士の資格がなければ就けない職業はないのですが、さまざまな介護の現場で求められている資格です。ただ資格があっても相応に評価されるとは限らず、報酬が見合わないことで離職してしまう人も多数いるようです。

理学療法士

医療に関係する国家資格で、取得するためには国家試験に合格する必要があります。試験は大学院、大学、短大、専門学校などで専門の課程を履修して卒業した者、専門の養成機関で3年以上学んだ者が受けられます。合格率は9割程度といわれています。

 

理学療法士は、医療やスポーツ医療、リハビリテーションなどに深く関わる仕事です。病気や怪我、加齢などによって身体機能になんらかの障害が生じた人に対して、理学療法を行える資格です。日常生活を支障なくおくれるようになるために身体障害の影響を軽減し、また身体機能の低下を予防することが求められます。最終的には日常生活をおくれるよう自立を促します。理学療法士は、医師の診断のもと、理学療法を行います。理学療法には、体操などで身体の機能を回復させる運動療法と電気刺激、温熱、光線、マッサージなどの物理的な刺激を与える物理療法、動作訓練があります。身体能力に障害が残った時には、日常生活をおくるための指導や福祉用具の選定などのアドバイスを行うこともあります。また、近年では生活習慣病の予防なども理学療法として考えられています。

 

理学療法士が活躍できる場としては、病院やリハビリセンター、障害者福祉施設、障害者更生施設、老人ホーム、老人福祉施設などがあります。

ホームヘルパー

都道府県知事の指定する訪問介護研修を修学することで得られる資格です。講習を受けることで誰でも取得できるため、非常に人気のある資格となっています。1〜3級の課程がありますが、1級を得るためには2級の資格を有したうえで、研修を受け、福祉施設で規定年数の実務経験を積む必要があります(一部自治体ではこの限りではありません)。3級を飛ばして2級からの受講は可能です。2012年度からはホームヘルパー1級の研修は、介護職員基礎研修に1本化される予定となっています(介護福祉士の研修ではありません)。
それぞれの級によって、介護サービスが可能な範囲が変わってきます。
◆3級:家事の援助(掃除、洗濯、調理、買い物など)ができます。
◆2級:家事の援助と身体介護(食事、着替え、入浴、排泄の介助など)ができます。
◆1級:訪問介護事業所で、サービス提供責任者として他のホームヘルパーへの指導が行えます。
ホームヘルパーが介護するのは高齢者だけに限りません。身体障害者などの介護も仕事の一つです。利用者の家庭を訪問し、家事や身体の補助、さらには精神的なケアも求められる場合もあります。また、医療機関への連絡や通院介助、福祉施設などへの付き添いなども含まれます。

社会福祉士

国家資格で、財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施する試験に合格する必要があります。合格率は3割程度といわれています。この試験を受けるためには、福祉系大学(4年制)、大学院で指定科目を履修して卒業すること、もしくは福祉系短大(2年制/3年制)で指定科目を履修して卒業し指定施設において業務に従事(2年/1年)することが必要です。一般大学を卒業した後に、社会福祉士一般養成施設(1年制以上)を卒業することでも受験資格が得られます。

 

社会福祉士は、障害者や高齢者など支援が必要な人を総合的にバックアップするソーシャルワーカーや経済的に困窮している人をケアするケースワーカーなどの仕事に従事します。児童福祉施設などでは、児童福祉についての知識も求められます。就労する施設によって仕事の内容は変わってきますが、いずれも福祉についての全般的・総合的な専門知識が必要とされることになります。支援を必要とする人の福祉に関する相談にのり、必要に応じて助言や指導、関係施設との調整や、公的サービスの手続きなどを行います。

 

現在のところ医師や弁護士のように、社会福祉士でなければ就けない職業というものは存在しません。しかしいずれの職でも、やはり資格を持っていた方が評価は高いようです。

臨床心理士

文部科学省認可の財団法人 日本臨床心理士資格認定協会の認定資格で、同協会が実施する試験に合格することで取得できます。試験を受けるためには同協会の指定大学院で臨床心理学か、それに準ずる分野の修士課程を修了していることが基本条件で、心理臨床経験が求められるなど、大変高度な資格です。

 

マークシートと論文筆記が行われる一次試験、後述面接の二次試験があります。一次試験合格者のみが二次試験へと進むことができます。臨床心理士は、満5年ごとに資格更新が義務付けられています。満5年以内に、研修などに参加・発表を行い所定のポイントを取得することで資格が更新できるシステムになっています。

 

臨床心理士は、心の悩みや精神疾患などの解決・予防・研究を行います。精神的健康の保持や教育などに貢献する心理専門職です。教育分野では、スクールカウンセラーやスクールアドバイザーとして児童や生徒の相談、発達面や生活面などの問題に対して心理的な支援を行います。医療・保健の分野では、精神科医・心療内科医などと連携し、精神疾患や心の問題などを改善・解決します。福祉の分野では、児童相談所や高齢者福祉施設、障害者福祉センターなどで、心理的な面からのケアを行います。また、大震災をはじめとするさまざまな自然災害被害者や、犯罪被害者などの心のケアなどを行い、心理的外傷の解消を助けます。